応募作文 1.「ドラゴンクエストについて思うこと」 「ドラゴンクエスト」と言えば、”J−RPG(和製RPG)”の代名詞である。 恐らく、「ドラゴンクエスト」が生まれたからこそ、数々のRPGが日本でも作ら れ、やがてそれらが”J−RPG”と総称されるに至ったのではないだろうか? このような募集に応募する身として情けないのだが、私は「ドラゴンクエスト」 シリーズでは、初代と5.天空の花嫁ぐらいしかプレイしたことがない。(幼少期に 友人の家に通い、ドラクエ2を傍らでドキドキしながら、見ていた思い出はある。) しかし、それでも「ドラゴンクエスト」の持つ、魅力や洗練されたシステムの素晴 らしさは十二分に理解できる。 それは、初代「ドラゴンクエスト」が発売されて20年数年の間に、フィールドを 歩いて敵と遭遇するエンカウントシステムや、コマンドウインドウ等のゲームシス テムが、今までに発売された多くのRPGで利用されているからである。 そして、更に付け加えれば現在も尚、「ドラゴンクエスト」シリーズは、日本に おけるRPGのビッグタイトルとして揺ぎ無い地位を誇っている事も、「ドラゴン クエスト」という作品がいかに魅力的な作品であるかが見て取れる。 おそらく、「ドラゴンクエスト」は日本で最も多くのプレイヤー、大人から子供まで 色々な思想や環境下のユーザーに遊ばれているRPGである。 つまりこれは、「ドラクエ」は誰が遊んでも楽しい作品として製作されなければなら ない。 しかし、現代は情報が多様化し、かつ個人が多くの情報を容易に受け取ることができ る時代になっている。 これはユーザー個人が好きなものだけを、好きなだけ手に入れられる各人の個性が 先鋭化されやすい時代になっている。 このような時代では、誰もが楽しめる作品を作るというのは、困難で強烈な課題となっ ているだろう。 そして、「ドラゴンクエスト」には”J−RPG(和製RPG)”を確立させた作品 としての責任も存在する。 この責務は、想像以上に重く厳しい。「ドラクエ」が面白くない作品であれば、 ”J−RPG(和製RPG)”はつまらないもの、そんな認識がされてしまっても おかしくない作品。それが「ドラゴンクエスト」である。 「ドラゴンクエスト」は他のRPGとは一線を画す。だからこそ、「ドラクエ」は 「ドラクエ」であり続ける必要があるのではないだろうか? 美麗なグラフィック、そして奥深く遊び尽きないゲームシステム。確かに、これは 今後も「ドラゴンクエスト」シリーズが連綿と生み出されていくには必要不可欠な ものであろう。 しかし、その前に「ドラクエ」は「ドラクエ」であること、かつて子供だった「ドラ クエ」ユーザーが大人になった時、再び「ドラクエ」に出会った時に、懐かしさと 共に喜びを込めて”ああ、ドラクエだ…。”とプレイできるようなゲームであること が肝要なことではないかと思う。 また近年、”J−RPG(和製RPG)”という言葉は、自由度の低い一本道のシナ リオ内容の作品が多いことから批判的な意味合いで使用される場合が多い。 今後”J−RPG(和製RPG)”を確立させた作品として、それらを軌道修正する ことが可能なのも「ドラゴンクエスト」だけではないのだろうか? 最後に、恥ずかしながら個人的に私が望む「ドラクエ」は、初代「ドラゴンクエスト」を 3Dポリゴン化して、箱庭化されたアレフガルドで敵を蹴散らしながら、思う存分闊歩 してみたい。 さらに蛇足で恐縮だが、私はフリーソフトでRPGを製作している。 もちろん、システム面の根幹は、「ドラゴンクエスト」のそれである。そういった意味 でも、敬愛して止まない作品である。